2015年12月18日金曜日

車ハッキング スマホで遠隔操作も 広島の准教授実験

ハッキングされた車の速度計は、停止しているのに時速180キロの表示が出ている
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国産乗用車にインターネットと接続する機器を取り付けると、スマートフォンで車をハッキング(乗っ取り)して遠隔操作できることが14日、広島市立大大学院の井上博之准教授(情報工学)の実験で明らかになった。窓を開閉させたり、停止中に速度表示を180キロにしたりできた。サイバー攻撃で走行不能にすることも可能で事故につながる恐れもある。井上准教授によると日本車がハッキング可能と分かったのは国内初。

 現代の乗用車はコンピューターで制御されているが、内部システムがネットに直接接続する機能を持った国産車はなく、現行の市販車に問題はない。しかし井上准教授によると、改造でネット機器を接続すれば実験に使った車種以外でも同様にハッキングの可能性があり、サイバー攻撃を受ける恐れもある。

 自動運転などネットを活用した技術開発が進む中、メーカー各社には早急なセキュリティー対策が求められる。日本自動車工業会(自工会)は「個々のメーカーの対応に加え、業界としても政府と連携し対策を進める」としている。


スマートフォンでハッキングされ、窓が開いた車=共同
 井上准教授は乗用車のセキュリティー対策を研究するため今回の実験を実施。使ったのは、トヨタ自動車が2013年に発売した「カローラフィールダーハイブリッド」。専門業者がメンテナンス時に診断機器を接続するため車内に付けられている端子に市販部品を組み合わせた無線LAN機器をつなぎ、エンジンなどの機器を制御する際のデータを読み取って解読。スマートフォンの専用アプリを開発し遠隔操作できるようにした。

 実際と違うエンジン回転数や速度を表示させ、アクセルを踏んでも動かせない状態にできた。エンジン始動やハンドル操作はできなかった。

 井上准教授は「重要な通信が外部から丸見えだ。他車も同様にハッキングをされる恐れがある」と指摘。通信を暗号化し、外部からの不必要な通信を受け付けないような対策が必要だとしている。

 トヨタは取材に対し「車両のセキュリティーを守ることは、安全・安心のために大変重要。情報セキュリティーをより強固にする努力を続ける」とコメントした。

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車ハッキング | スマホで遠隔操作も 広島の准教授実験 - 毎日新聞